台風15号のあと、練習生みなさんにお話しをしておりました。
いつも稽古場としてお借りしている「ふれあい館」さんは、
なにかの時には避難所になります。
みんなが幸い、元気だったとしても、使用することは出来なくなります。
だからこそ、「毎回の稽古を大事にしてください。」
それからそんなに時間が経っていないうちに、19号が来ました。
昨日から、ふれあい館は本当に自主避難場所となりました。
今日は台風一過で快晴ではありましたが、空手で使用することはなく、
稽古は金曜日・日曜日ともにお休み。
我が家は避難所には行かずに、
家族が数日分しのげるだけの準備をして、
川が決壊したらすぐに垂直避難が出来るように体制を整えておりました。
3年は持つと、前に用意してあった家族分のリュックには、
賞味期限が差し迫った非常食が入っており、
人数分購入した電池式のバッテリーは、電池が液漏れしていて使えず。
今回の避難準備で、あらたに入れ替えることが出来ました。
台風が来る前々日の夕方には、もう近所のスーパーの棚がガラガラで、
これは…と、焦りました。
地域性はあるものの、準備意識の高いところはこうなるんだなと実感し、
金曜日の稽古はわざとお休みにし、
保護者の皆さんにはこうご連絡しました。
「避難用具を揃えたり、『備える』ことを稽古としてください」
普段、忙しくされている保護者の方が、
どれだけ自宅に備えが出来ているのかは分かりません。
意識の低いご家庭も、少なからずあるでしょう。
30代、40代の私たちは、とても恵まれた時代に生まれました。
戦争が無い時代だからです。
昔、まだ小さかった頃、
台風が来ると聞けば、父も母も、雨戸があれば完全に閉め、
吹き込むところはないかと、家族で予防をしていたものです。
兄弟全員の分の寝袋の在りかを伝えられ、避難のときに持ち出すものを教えられました。
長女の私は、幼い弟の分も抱えることになるだろうと、
どうやったら持てるか想像して布団に入りました。
その寝袋は、一人暮らしを始めたときにも持って上京しており、
今でも我が家にあります。
東日本大震災のとき、マンションの管理人さんが急に帰宅できなくなったとき、
役に立つことが出来ました。
これからの子どもたちは、
温暖化の影響をまともに受けていくだろうと思います。
実際にそれを感じる災害というものが、近年とくに日本において続いています。
連続性のあるものになってしまっていることが、
何よりも実感としてあります。
国連のスピーチでの16歳の子の訴えは、
「大人」に向けた言葉です。
その大人は誰でしょう。私たち大人です。
この時代に生まれてきた現こどもたちは、
生き抜く力をおそらくもっと必要とするでしょう。
お父さん・お母さんに出来ることは、
叱る、怒ることではなく、
こういう災害の予見されるときに「準備する姿」を見せることです。
一緒に準備をしてみることです。
稽古が休みだった2日間に、
「いのちの稽古」が出来たかどうかは、
ご家庭によるかと思います。
武道を選んで、空手をさせようと思われたなら、
こういう時間をどのように過ごすかが課題です。
なぜなら、空手道は「生き残るための武術」だからです。
そして、また次の稽古でみんなが集まれたなら、
そのことに感謝の心を忘れずに稽古しましょう。
この度の台風で、被災された皆さま、
まだ状況続いている地域も多く、心痛みます。
お見舞い申し上げますとともに、
一日も早く、生活が戻りますようお祈りいたしております。
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